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佐藤延男教授
グッドデザイン賞/エコロジーデザイン賞受賞!!


"2001年度グッドデザイン賞"の"エコロジーデザイン賞"に佐藤延男教授がデザインした食器「土色彩生(つちいろさいせい)」が選ばれました。さらに、グッドデザイン大賞候補(6作品)にもノミネートされ、モニターアンケートでは総合2位という評価をいただきました

 グッドデザイン賞とは?
財団法人日本産業デザイン振興会の主催する賞で、この賞を受賞した商品にはGマークが付けられます。「品質の良さ」「使いやすさ」「商品としてのバランスの良さ」が認められたものが付けられるマークであり、この社会的価値は大変高く認知され、生活者の方々に広く親しまれています。本年度は出展作品の6割がグッドデザイン賞を受賞。その中で優れているものに金賞、エコロジーデザイン賞などの特別賞が贈られ、最も優れていると評価されたものに大賞が贈られました。
(参考:財団法人日本産業デザイン振興会ホームページ)

 

今回は、特別企画としてそんな佐藤延男教授に作品に対する思い入れや、エピソードなどを語っていただきました。



GL(グリーンライフ)21

器の回収、再生&販売プロジェクト

 嬉しさ半分?

 今回はデザインという面だけでなく、食器のリサイクルという活動面でも評価をいただいています。正直なところ、活動全体として賞をもらっているので嬉しさ半分です。私のデザインだけでここまで来たわけではありませんで...
 「21世紀の"グッドデザイン"としてふさわしいものは何か」というのが問われています。最近では「デザイン」というものの考え方が、形が美しいとか、スタイルがいいとか、色がいいとかだけでは語られなくなりました。形とかモノができあがる背景が注目され、それが社会へ及ぼす影響が重要視されています。
 つまり、「活動全体がデザイン」、「文化としてのデザイン」いう面で「土色彩生」は評価されたと思っています。

 
「土色彩生」のココがスゴイ

 「土色彩生」は原料に不要になった食器を20%混ぜて作っています。しかし、20%混ぜようが、30%混ぜようが、新しく土から作ったものと精度は全く変わりません。
 この食器の本当のスゴイところは、何の新しい設備もなく、同じ温度で同じ釜で同じ成形ができるという事です。普通だと新しい設備を作ったり、レンガ・タイルにしか使えなかったりしたのですが、食器にしても何ら遜色のない材料ができてしまったわけです。

 





 今のデザインになるまでの道のり
 
余計なものはいらなかった −


 最初は「リサイクルの食器」という事でリサイクルをかなり意識して「あたたかいもの」や「手作り」をテーマに考えていました。
 形を楕円にしたり、わざと傾けたり、よろけさせたりの試行錯誤を繰り返していました。しかし、やってもやっても何かしっくり来ないんです。
 「あんまりリサイクル、リサイクルってとなえるとくずで作ったみたいだよなぁ、やっぱりくずの上に料理をのせるのは嫌だよなぁ」、なんて思い巡らせているうちに「使うんだったらリサイクルというのは関係なく使って欲しいよなぁ」と思い始めるようになりました。
 そこで、インターネットを使って募集した100人くらいにリサイクル食器(他のメーカーさんが作ったもの)を使ってもらい、「リサイクルのイメージはどうか」「汚らしく感じないか」「食器とはどういうものがいいか」などのアンケートをとってもらいました。
 結果として、使う側はリサイクルということをあまり気にしておらず、食器は楽しくて美しければよいということがわかったんです。そして、もう一つわかった事は余計なものも要らないということです。魚の絵だとか何かの絵だとか、そういうのは要らないとほとんどの奥様たちはいっているんですよ。やっぱりそうだよなと私なんかも感じたわけで、そこからは開き直って、素直に、のせた料理がおいしく見える皿を造ろうと軌道修正しました。
 そこで、以前から私自身が造ってみたいと考えていた『木を挽いたようなシャープだけれどどこかあたたかいイメージ』をテーマにしてデザインし直しました。それが今回受賞した作品です。普通の家庭で毎日気軽に使える食器を目指しました。
 形状は、エッジを少し厚くして丈夫さを、他はできる限り薄くして軽さを出す工夫をしています。
 試作で焼き上がった作品を見て、当初予想したものより『あたたかい緊張感』のようなものがあり、「あれ、意外と良いものができちゃった!」という感じでした。

 グッドデザイン賞に出展するきっかけ


 昨年の12月、ビッグサイトという所でギフトショーがあり、作品を出店しました。そこにはグッドデザイン賞審査委員の山田節子さん(生活提案型店舗企画・商品企画(株)TWIN/代表)がいらっしゃって、ぜひグッドデザイン賞に出すようにと勧められました。まだ試作品なので、出せるわけないといって渋っていたんですが、結局出すことになりました。審査委員推薦で出すようにいわれましたが、それで落ちてしまったら恥をかかせることになるからと、遠慮して全く知らない顔して出したんですが、どうゆうわけかあれよあれよといううちにいってしまって、挙句の果てには、大賞審査会で発表することになってしまいました。


 いざ大賞審査会へGO!
 
− "タイプ2のエラー"に救われました −

 大賞審査会ではデザイナー(つまり私)がプレゼンテーションを行うことになり、映像と応援スピーチを含め、1組7分が与えられました。
 発表は2時からだったのですが、11時からのリハーサルがあり、発表の映像はQuickTime形式で作ったものを事前に提出していたのですが、実際リハーサルで出てきたデジタルビデオに落とされた映像は何故か画質が荒れていたので、QuickTime形式に戻してもらうことになりました。
 それでなんとか本番を迎えたのですが、さすがに先生稼業していても1,000人もの前で照明がが〜んと当たって音楽がど〜んと迫力があったりすると、だんだんドキドキしてきちゃいます。
 うわぁ本格的に緊張してきたぁと思った時に、ふと隣の方を見てみると原稿持っている手が震えていました。誰でもこれだけの場所では緊張するんだなぁと思うとちょっと安心しました。
 そして、いよいよ発表となり「映像をお願いします」という合図で映像がスタートしました。映像がスタートして「ヨシッ」と思った矢先に"タイプ2のエラー"がバーンと表示されて、会場全体が拍子抜けしてしまいました。
  それが直ったと思ったら、今度は音が出なくて、「すいません、音鳴ってないんですけど…。」そんな事をしているうちにすっかり落ち着いてしまって余裕を持つことができました。おかげでその後のスピーチはリラックスして発表できました。"タイプ2のエラー"に救われましたね。


 心に残った言葉 「わきまえたデザイン」

 応援スピーチして下さった黒川玲さん(建築・企画プランニング(株)黒川玲建築設計事務所/代表取締役)の「わきまえたデザイン」という言葉が今でも印象に残っています。
 黒川玲さんとの打合せの際に、電話で「嬉しさ1割、戸惑い9割なんですが、どうしてここまで来ちゃったんですか?」と聞いてみたら、いくつか理由を挙げてくださったんです。
 一つはやっぱりデザインで、日本の食事がトンカツあり、おしんこあり、スパゲティありと、雑食だから和洋中どれにでも合うと直感的に見てくれました。それともう一つが、日本の伝統的な食器にあるような「わきまえたデザイン」とおっしゃったんですよ。ようするに料理の引き立て役に徹しているということ。いい表現だなと思いましたね。自分もこれから使おうと、学生に「おまえ、このデザインわきまえてないなぁ」なんて(笑)。わきまえたデザインというのは狙ったところなので、一番嬉しかったですね。


自宅で「土色彩生」使っています


 私自身2ヶ月近く自宅で使っていますが、ほとんど毎日食卓に出てきます。それまで、デザインにはうるさい妻が食器にもこだわって揃えていたのですが、それが全然出なくなりました。(私が造ったというひいきめもありますが。)
 私自身が造ったものをずっと使うというのは勇気がいります。自分が失敗したところもわかりますので、あんまり喜んで使うということもなくなるのではないかと思ったのですが、珍しく自信を持ってみんなに「使ってね」と言いたいです。毎日使ってみて、おしんこのせても、冷奴をのせても、すごくサマになります。これは自分でも良かったなぁと思っています。
 発売間近!

 最後にCMになっちゃいますが、「土色彩生」は12月から発売する予定です。
  実際に使っていただいて「これがわきまえたデザインかぁ」と実感し共感していただければうれしいかぎりです。