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産デ「授業改善アンケート」
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 野球部2部昇格
 


 001年11月 2部3部入れ替え戦、2部への昇格を手にしたのは創立わずか2年目の愛知産業大学野球部だった。
 「アウト!」の声が響いた時、選手の間に歓声が沸いた。速報で遠く離れた岡崎キャンパスにもその歓声が届いた。

愛知大学野球連盟について

左・星野 右・原
 
   しかし、いちばん嬉しいはずの監督とコーチは何故か浮かなかった。勝利はしたものの、多くの課題を残しての勝利だったからだ。新たな挑戦への決意を固める二人の姿がそこにあった。
 

愛産大野球部の歴史

 

−2000年春−

 一人の男が理事長室に呼ばれた。原 勝行 学生課所属、学内一野球が好きな男で有名であった。
 理事長はゆっくりとした口調で、「愛産大野球部を設立したいと考えている、君にコーチをお願いしたい」と語った。

 突然の話で悩んだ、何故なら草野球はやっているものの硬式野球から離れて10年以上も経過していたからだ。
 しかし、「野球ができる」という思いが先行し「はい、やらさせていただきます。」と即答した。こうして愛産大野球部創立計画がスタートした。
 原は言う「野球は好きですね。スポーツ用品店に1日いてもあきないですね。昔の言葉でいうと野球バカってやつですかね。人にどういわれてもいいんですよ、自分は幸せなんですから。」

  −2000年秋−

 計画は順調に進み、待望の初試合に望む事ができた。
 しかし結果は21対7の大惨敗。このとき原は「今回は出場する事に意義があるんだ」と笑って答えていた。
 しかし、内心では今まで自分がやってきた野球と大学野球のギャップに悩んでいた。コーチとして出来ることは?選手にしてやれることは?そもそもコーチの役割は?たった一人で悩む日々が続いた。しかし結論がでないまま、無常にも時間は過ぎていくだけだった…
 
−2001年春−

新監督として星野 奏真が就任した。高校時代に甲子園出場の経験もあり実力もあるが、原は実力よりも、自分を超える野球オタクである事に惚れた。
 根っからの野球好きの星野はこう語る「ボール持っているだけでうきうきしてきちゃいます。仕事終わって部屋で寝転がってボールを天井に投げているだけで幸せです。ボールがひとつあるだけで1日あきないですね。」
 そんな星野と原が意気投合するのに時間はかからなかった。原と星野は連日のように語りあった。野球を肴にしてのむ酒はうまい。野球部の事、自分たちのやるべき事、そして時にはプロ野球のこと、メジャーの事、野球の話となると話は尽きない。
 毎日が楽しくなった。以前よりも野球が好きになった。だんだんと、自分たちのやるべき事がぼんやりとだが見え出してきた。もうそこには一人で悩む原の姿はなかった。

キャッチボール指導をする星野
   
  そして現在
 


 試合を振り返って彼らはこう語る。

 正直なところ胃が痛かったですね。だって、もっと楽に勝てたと思うんですよ。選手は気の緩みさえなければ、絶対にもっといい試合ができるんですよ。私達が言うんだから間違いない。
 彼らはまだ本気になってないと思うんですよね。今の選手たちからは私達にやらされているという甘えのようなものが感じられます。


主将大澤(左)と意見交換する星野
 だから、だいたい初戦を落とすんですよ。勝ちたい気持ちはあるが、それを本気になって表に出せない。負けてしまってからやっと危機感に気づく。それでは遅いわけです。
 自分たちのためやっているという気持ちがあれば練習でももっと気合が入るし、試合では勝ちにこだわると思うんです。
 まだまだ選手からは自分達のような「野球が好きで好きでたまらない」っていうようなオーラが感じられないんですよ。常にとは言いませんが練習の時間や試合のときだけでもいいんです。100%力が出せれば、もっと楽しくなると思うんですよ。
  監督とコーチの役目
 

 大学野球は選手が主体で、それを支えるのが監督であったり、コーチであったりします。そんな事もあって私たちは「選手を本気にさせる」、「選手の意識を高める」、そして「気持ちを持続させる」という事に力を入れています。しかし実際のところ、方法については私たちも模索状態で答えはでていません。
 おそらくこの悩みは永遠に続くと思います。でも、あきらめる事はないと思います、たしかに大変な事だとは自分たちが一番分かっているのですがそれ以上に野球にたずさわれることが嬉しいですからね。
 自分は本当に野球に出会えてよかったと思っていますし、野球にたずさわる仕事ができるというのも本当に幸せだと思います。
 今後、もっともっと多くの人に野球の面白さを分かってもらいたいと思っていますし、より多くの人に愛産大野球部に関心を持ってもらいたいと思っています。そのための努力も惜しまないつもりです。

 だってそれが私たちの役目だと思うんですよね。生意気かもしれませんか使命のようなものを感じています。


ベンチから熱い視線を送る原
− END −

  愛知大学野球連盟について
 


 愛知大学野球連盟は4部に分かれており、各部でリーグ戦を行う。2〜4部の1・2位は上位部の5・6位と入れ替え戦を行い、勝つと上位部に昇格できる。愛産大野球部は昨秋のリーグより3部からスタートした。2001年度からは2大学が新たに加わり、1部から4部26大学加盟している。(下表参照)

加盟大学

1部
2部
3部
4部
愛知学院大学
日本福祉大学
大同工業大学
名古屋工業大学
中部大学
名古屋経済大学
南山大学
愛知淑徳大学
名古屋商科大学
愛知学泉大学
名古屋外国語大学
名城大学
名古屋学院大学
愛知教育大学
名古屋市立大学
名古屋大学
同朋大学
中京大学
愛知大学
東邦学園大学
東海学園大学
愛知産業大学
愛知工業大学
愛知文教大学
名古屋産業大学
豊橋技術科学大学

 

 監督とコーチのプロフィール
<監督>
星野 奏真 (ほしの そうしん)
愛知産業大学 学生課職員
福岡県生まれ
福岡県立東筑高等学校 卒
慶應義塾大学 法学部政治学科 卒
在学中、硬式野球部に所属、内野手として活躍
第31回明治神宮野球大会の優勝に貢献
<副部長兼コーチ>
原 勝行 (はら かつゆき)
愛知産業大学 学生課職員
愛知県生まれ
愛知県立碧南工業高等学校 卒
在校中、硬式野球部に所属(県大会ベスト16)し、投手として活躍
東海産業短期大学(現:愛知産業大学短期大学)卒
在学中、軟式野球部に所属