小椋 紀行
Noriyuki OGURA
3509研究室
◇研究領域:
RC構造学
  • RC構造部材のせん断に関する研究
  • RC構造物の耐震診断に関する研究
  • RC構造物の振動特性に関する研究
  • 教育用構造模型に関する研究
◇研究テーマ:

「RC梁のせん断抵抗機構に関する解析的研究」
 RC梁のせん断耐力は、終局状態を仮定した2つのモデル(アーチモデルとトラスモデル)の和で算定されています。しかし現在までに行われた様々な実験結果と対応しない部分があります。この研究では、上記のモデルを対象として離散化極限解析法を用いて再検討を行い、修正することを目的としています。

「現行耐震診断法による学校建築物の耐震性評価に関する解析的研究」
 1995年の兵庫県南部地震では多くの学校建築物が被害を蒙りました。これを受け、現在までに多くの都市で耐震診断が行われています。現行の耐震診断法は1981年に施行された建築基準法(通称 新耐震設計法)に対応しています。しかし、設計法も先の地震を契機に改正されつつあります。そこで、この研究では耐震診断法について振動解析法との比較により、その問題点を検討し解消することを目的としています。

「中高層RC構造物の層変位予測に関する解析的研究」
 現在、設計法は従来の仕様規定から性能規定へと変化しつつあります。これは、建築物を様々な見地から設計段階において幾つかの段階に評価しようということです。RC構造ではその評価項目の一つとして、ある地震に対する構造物の層変位が挙げられます。この研究では構造物が崩壊するときに必要なエネルギーをもとに、層変位を予測する簡便な方法を提案することが目的です。

「教育用構造模型の教育効果と精度に関する基礎的研究」
 一般の人のみならず建築を勉強する学生においても『構造』は、難しい・分かりづらいなどの先入観もあり、導入部分で習得を断念する人もいます。この問題点を解消するため、現在多くの大学等で教育用構造模型が用いられ、まず感覚的に理解させるよう様々な工夫がされています。しかし現段階では各教員が個々に使用しているのみで、その効果や精度については検討されておりません。この研究では教育用構造模型を対象としてその効果と精度を明らかにするとともに、有効的な利用法を提案することを目的としています。


◇プロフィール:
愛知産業大学講師。
芝浦工業大学建築学科卒業,名古屋工業大学大学院博士前期課程修了,同大学院博士 後期課程修了。
工学博士 Dr. Eng.
専門分野:鉄筋コンクリート構造。

主な研究内容:
1)RC梁のせん断抵抗機構に関する解析的研究
2)現行耐震診断法による学校建築物の耐震性評価に関する解析的研究
3)中高層RC構造物の層変位予測に関する解析的研究
4)教育用構造模型の教育的効果と精度に関する基礎的研究

研究の主旨:
建築に限らずさまざまな分野の自然科学現象を理解しやすくすること。