執行部だより
〜橘座開設増刊第三号〜


 4月20日(土)「橘座」復活に向けた準備作業は計画通りに各班とも進んでいるようです。準備計画にあたる班のうち、橘町の歴史研究班・橘座舞台設営班・演劇実演班から経過の連絡がありましたので報告します。



仏壇を手がける八職に迫る!

橘町歴史研究班

仏壇を手がける「八職」について、簡単に紹介したいと思います。
職人名
仕事の内容
木地部
(きじし)
十分に自然乾燥させた木材を用いて名古屋仏壇の基礎となる形を造るのが「木地部」の技。
荘厳部
(しょうぐんし)
仏壇の中に収まっている、正面のお堂をつくる仕事を「荘厳部」という。
彫刻部
(ちょうこくし)
柔らかい「松」を材料に名古屋仏壇の顔とも言える欄間彫刻を製作。精密で手間のかかる作業の連続である。
塗部
(ぬりし)
あらゆる金仏壇の命とも言える漆塗りを担っている職種。職人は更なる技術の熟練と手法の研究に余念がない。
呂色部
(ろいろし)
漆で塗った後、磨きをかけ箔置部につなぐ人のことを「呂色部」と呼ぶ。
錺金具部
(かざりかなぐし)
仏壇の中にある内金具と外の部分である表金具に分けられる。錺(かざり)金具が本来の名称。繊細な彫金の作業である。
蒔絵部
(まきえし)
引出類、障子、後門板、御文書箱などに描かれている本金消粉は様々な絵柄や紋を担っている。
箔置部
(はくおきし)
金箔をていねいに部材にのせるのが「箔置部」。機械で仕上げた物は耐久性に問題があり、本物とは一線を画する。



取材記録   Ver.3 3月18日(月)

今回の取材は名古屋仏壇商工協同組合副理事長・伝統工芸士会長を務められるN氏。名古屋仏壇では地域の総括をはたす重要な役目に就いている。国から伝統工芸品に指定された名古屋仏壇。その指定には5つの条件が必要とのこと。@百年以上の伝統を持つ。A同業者が組織されている。B伝統の技法を伝えている。C伝承の原材料を使っている。D生活用品である。これら5つの条件を揃えたのが、名古屋仏壇なのである。
「漆と湿度は大切な関係。風の向きを調べてその日の作業手順を決めます。長年の経験が全てです。」とN氏。奥の深い職域を実感する。また、「伝統工芸の伝承には若い力が必要。海外からの輸入品の勢いに対抗する意味でも匠(たくみ)の技を伝えたい。」と意欲をのぞかせる。
使用される金箔は、石川県金沢市産。金箔はとてもデリケートな代物で、雨が降ると乾きやすい。もちろん、手で金箔を触ると指紋がついて商品にならない。N氏は現在の名古屋仏壇を取り巻く環境や将来像について心を砕いている。「海外からの輸入品や後継者の不足など、解決しなくてはならない問題点は多い。」とのことです。
取材にご協力いただき、ありがとうございました。



演劇班からのコメント

機械科2年E組 森田君

 私は、このたび橘座演劇班の演出を務めさせていただくことになりました。この演劇を観る立場に立って、演じる側も楽しくなれるように台詞や動きを作ります。周りの意見も十分にとり入れて、親しみやすい劇になるように力を尽くしたいと思っています。タイトルは「王様の耳はロバの耳」です。私たちの劇を是非、見に来てください。お待ちしています。


舞台設営班からの奮闘記

電子科1年A組 村瀬君

 舞台には必須の引き幕を手作りで挑戦しました。布地の買い出しからミシンの準備まで全てゼロからの始まりでした。男子校ではありますが、十数名の有志が連日集まり、家庭科の先生のご指導を受けて針と糸との格闘の毎日です。あと少しのがんばりで完成です。最後までやり抜きたいと思います。高さ4m・幅約15mの手作りの幕は自信満々で披露するつもりです。