執行部だより
〜橘座開設増刊第二号〜


仏壇を手がける八職に迫る!
 本校の近辺には仏壇関係のお店が数多く見られます。橘の地域は「名古屋仏壇」と称される仏壇が製造されています。
 ひとつの仏壇を製作するには八人の専門職人さんの技術が必要とされます。ここでは、「名古屋仏壇」のことや八職(はっしょく)と呼ばれる職人さんひとりひとりの仕事内容について紹介していく予定です。

1,名古屋仏壇とは・・・元禄八年(1695年)に仏壇専門店「ひろや」がその始まりと言われています。その後、江戸幕府の宗教政策による各家への仏壇の普及、尾張藩による仏壇製造業者の保護などが今日の発展の基礎となっており、現在では門前町、橘町周辺を中心にして仏壇・仏具の関連業者が約200社集まっています。これは「仏壇・仏具」の業界としては日本一の集中度です。
 しかし、近年の不況や信仰心の低下、住宅の洋風化などの原因により「名古屋仏壇」を取り巻く環境は厳しさを増しており、製造本数も減少傾向を続けているとのことです。

2,橘町歴史研究班 今後を展望すると・・・仏壇は「八職」と呼ばれる八人の職人さんの手を経て完成されます。木地部(きじし)・荘厳部(しょうぐんし)・彫刻部(ちょうこくし)・塗部(ぬりし)・呂色部(ろいろし)・飾部(かざりし)・蒔絵部(まきえし)・箔置部(はくおきし)の職工です。その専門技能は極めて高く、長年の修行と経験において技術が伝承されました。
 そこで、橘座「橘町調査班」では、「八職」の腕と技術に焦点を絞り、橘町かいわいに在住する職人さんたちにお話を伺いたいと思っています。その勉強の場が仏壇・仏具に象徴される橘町かいわいの歴史を調べる糸口になるはずだと思うからです。
 ご町内の皆様のご理解とご協力をお願いします。



取材記録   Ver.2 3月6日(水)

前回、取材にご協力いただいた京仏師・I氏のご紹介により錺(かざり)金具職人I氏にお話をうかがった。錺金具は内金具と外金具に分けられ、Iさんは内金具を専門にしている。仏壇の扉を開いた中の彫金の部分である。他にも神社・仏閣や祭の御輿(みこし)の最上部にある金具の装飾も手がけている。訪問の許可を得て仕事場へ足を踏み入れると、張り詰めた緊張感が漂う。I氏は銅版に細やかな紋様の装飾を施している最中であった。天井には初孫の誕生を記念して作ったという龍の見事な装飾金具が私たちを見据える。「職人の専門技術を語るのは私たちの務め。小・中学校から職場研修(インターンシップ)の依頼も来ています」とのこと。「装飾は作り手の魂が形になったもの。仕事を依頼される人の想像を超えたものを提供できてこそ、一人前の職人」と、一切の妥協を許さない。その厳しい姿勢が緊張感の源か。「希望ならいつでも来なさい。体験作業をさせてあげよう。」とI氏。仕事を離れると実にやさしい表情が印象に残る取材でした。貴重な時間を割いていただき、誠にありがとうございました。



〈2年生修学旅行から帰国〉
 去る3月10日(日)に機械科、11日(月)には電子科・電気科が出発して、四泊五日の修学旅行が実施されました。行き先は、日本のお隣の国「韓国」です。韓国はサッカーのワールドカップ日韓共同開催が間近に迫る中で、友好を深めていかなくてはならない隣国です。飛行機でわずか数時間の距離ですが、話す言葉が違えば、生活の習慣も違います。他国の伝統や文化に触れることによって視野を広げ、国際化が叫ばれる現代に必要な見識と理解力を養ってきた(?)つもりです。海外旅行の経験がない私たちにとって、パスポートの申請に始まり、全てが初めてのことばかりでした。
 緊張の連続だった珍道中記は次回に報告いたします。(次号をお楽しみに・・・)



 この「執行部だより」も2回目となり、今回も皆様のおかげで無事に発行することができました。改めて取材に応じて下さった方々にお礼申し上げます。
 ありがとうございました。ご厚意を無にせぬよう、精一杯がんばります。
 今後も週に1回のペースで発行していく予定です。そして、この「執行部だより」の発行は、私たちと地域の皆様との大切な接点です。橘町と東橘町にお住まいのご家庭には、一軒、一軒に訪問させていただきお届けしたいと思います。
 お仕事のお忙しいときに、ご迷惑になることもあるかと存じますが、何卒ご了承いただきお許し下さい。